甘酒せんべいふるめんとを自作
おせんべい屋さんが自分とこのせんべいのレシピを公開したらしいよ。
tanakaya-senbei.jp
スタートは甘酒を60℃に温めて。。
お?
プロのレシピって気になりません?
Anova使いさん、温度指定レシピセンサーが働くようになってません?
というわけで、甘酒と小麦粉、米油だけを発酵させて作る甘酒せんべいふるめんと、ちょっと気になりました。
レシピを読んでみる
レシピの重要な情報、まずは分量ですね。
これは分かりやすく提示されています。
次に「各工程を終わらせる目安」これもかなり重要です。
たとえばオムレツに例をとってみますね。
太字がここでいう「目安」の記述です。
- 卵を白身の塊がなくなるまで解きほぐし、塩と牛乳をあわせる。
- 熱したフライパンにバターを溶かし、卵を流し入れる。
- 流し入れた卵をフチがチリチリっときたらお箸で卵をクルクルとかき混ぜる。
- 全体が半熟程度に固まってきたら卵を2,3回折り返してフライパンのふちで形を整えてお皿にのせる。
さて、この太字がなければどうです?
慣れていない人が作ると、あらかた固まった卵をかき混ぜたためバキバキに割れた地面のような、そして撹拌が不十分であった白身が点々と見える黄色いものが二つ折りになってお皿にのっている、フライパンは熱しが十分でなかったため、ところどころこびり付きがある、という、そんなものができるかもしれない。
なので誰でも作れるレシピを作るというの、失敗ポイントを押さえて解説をつける必要もあり難しい。
あるいはプロ向けなら、「大事なことは行間にあるが、君ら十分経験あるやろ、匂い、色、音で判断できるよな?気温と湿度による加減もできるよな?はい分量と簡単な手順な」というものもあるわけで。
さてこのレシピです。これは「行間を読めレシピ」かな。情報量少ないね。
まあしかし、うちにこないだ作っといた甘酒もあるし、発酵もん(これは多分酒種の類)好きやしやってみよか。
と、この短いレシピに挑戦するすることにしました。
まず課題だと感じたのは、「このまま作ると品質が安定しないのでは」ということ。
室温も湿度も季節で違います。この克服を考えてレシピ行間を埋めていくことにしました。
埋めるのはそうAnova、あと冷蔵庫。これらで温度管理を徹底、なるべく気温の影響を受けにくい作り方を目指します。
作ってみた
材料を揃えます。用意したのは未加熱で各種菌や酵素が生きている自作麹甘酒、粉は大好きキタノカオリ、米油の中では酸化しにくいと私が感じる築野食品の米油です。
レシピを改めてコピペしますね。
1)甘酒1kgを60℃くらいに温める
2)小麦粉250gを混ぜる
3)一晩寝かせる
4)米油200gを混ぜる
5)小麦粉1kgを混ぜ捏ねる
6)生地を30分程度寝かせる
7)薄く伸ばし、型抜きして
8)170℃のオーブンで20分焼く
家庭では1/10か1/5くらいでつくるのが気軽で、また美味しいうちに食べきれるのではないかと思います。
私は1/10量でやってみました。
作りながらメモがわりにつぶやいてますので、そちらを貼り付けていきます。
発酵の旨味がプラスされた甘くない小麦粉せんべい、田中屋せんべい総本家さんによる「ふるめんと」のレシピが公開されたのを見て、作り置きの甘酒を使って挑戦。麹菌の働きは機械で完全に管理できるものではないのだろうけど、素人はanova等で温度管理することで難易度下げを狙う。 pic.twitter.com/WegqmbeuxX
— Yoka (@machiko_yoka) 2017年4月3日
60℃で1時間保温した時点できっちり締めた蓋が開いてくるくらいには、何かガスが出ていた。
— Yoka (@machiko_yoka) 2017年4月3日
甘酒は麹菌が放出するアミラーゼが米のデンプン等を分解、糖化させたもの。これが次に浮遊菌や酵母菌によるアルコール発酵or乳酸発酵を始め、出る二酸化炭素を膨張剤として利用するのが酒種。今は酒種の中種を仕込んでるということになるね。レシピhttps://t.co/PiouuSE1h2
— Yoka (@machiko_yoka) 2017年4月3日
あるいは日本酒の段仕込みの仲添か。甘酒を作る≒初添、小麦粉を混ぜて甘酒を元気付かせて(?)寝かせる≒仲添的な。
— Yoka (@machiko_yoka) 2017年4月3日
ちゃんと撮れてないけどここからは蓋を不織布に取り替えて20〜24℃で一晩。本当はここをパンよろしく冷蔵発酵にできれば温度管理が楽なんだけど、厳しい気がしている。 pic.twitter.com/xzvoE6Z1JP
さて20〜24℃で一晩(12時間)寝かせたわけですが、子供の活動時間につき、麹にはここから12時間5℃の冷蔵庫にて寝ててもらいます。
— Yoka (@machiko_yoka) 2017年4月3日
27℃でこねあがりまして、これより30℃の環境で30分寝かせます。元レシピに温度についての言及は焼成温度以外ありませんが、パンのつもりで独自にやってみています。 pic.twitter.com/zY6vv305lt
— Yoka (@machiko_yoka) 2017年4月4日
1mm厚さで型抜き。ひしゃげたお月さんではありません。米です。。 pic.twitter.com/YjvUrtIu3G
— Yoka (@machiko_yoka) 2017年4月4日
170℃のオーブンの中から、酒種パンの匂いはしている。少し厚かったかも。
— Yoka (@machiko_yoka) 2017年4月4日
焼けました。
— Yoka (@machiko_yoka) 2017年4月4日
☑︎発酵のかおり
☑︎あじわい
◻︎パリッとした食感
結論:分厚すぎた。
考察:水分量か寝かしの問題か、戻りの強い生地で薄く作るのが難しかった。私の甘酒の仕込みは生麹3、ごはん3、水2。粒の大きさが程よいゲランドの塩を振ったものを独自に作ったら、あら美味しい。 pic.twitter.com/JY4IJaJieO
二番生地。さっきの型抜きからさらにうすーく伸ばす。これはきっと本当の作り方と違う。 pic.twitter.com/WXUzDOqH3p
— Yoka (@machiko_yoka) 2017年4月4日
ピケし忘れたよね。あれでもこれ。。ええんちゃう?口の中で砕けて行く薄さが。
— Yoka (@machiko_yoka) 2017年4月4日
チーズに添えるのにええのんやわ。 pic.twitter.com/nY2ej9m4CE
分厚い方、アルミホイルかけて130℃で乾燥焼き。終わろうなもう。あと少し、豚ロースのAnova加熱が終わったら寝るんだ。。 pic.twitter.com/RJWRzRcLT7
— Yoka (@machiko_yoka) 2017年4月4日
そや、これ今回強力粉のキタノカオリ100%でつくったけど、20%くらいから全粒粉混ぜてみたらええんちゃうやろか。噛みしめる系の食べ物は少々の雑味が入ると味に奥行きというか楽しさが出そうな。
— Yoka (@machiko_yoka) 2017年4月4日
作ってみての感想は、面白かった、そしてこれだけの材料で美味しいものができるのは良い、子供達もめっちゃ食べてるし良い、と。ちょっと時間かかるけど。
ちょっと時間かかるので、一回作ったらいいやみたいになっていたのですが、その後次男が熱を出して、ご飯食べない、普段食べていたおかき食べない、オレンジとチーズとベーコンとクラッカーしか食べないみたいになったことがありましてね。
それちょっと塩分取りすぎやろと、この、自分で塩分を調節できるせんべいを作るかという気になりました。
もう一度作った
前回の反省を踏まえて、ちょっと作り方や材料を変えました。
反省点と改善策は以下の通り。
<前回の反省点→改善策→→結果>
○甘酒の濃度が濃すぎたのか、生地が硬かった。
→麹:ご飯:水を重量にして同割で仕込む。
→→今度は緩くなって粉を少し足した。この辺は使う粉の吸水性にも左右されるので、作りながら決めていく感じかと。甘いのが好きな人なら甘酒はご飯使わずに麹だけで作るとせんべいも甘くなるよ。
○生地を伸ばす時の戻りが強い。
→粉を北海道産強力粉キタノカオリから北海道産薄力粉クーヘンに変更。あと私の遊びとして粉を一部北海道産全粒粉に。
→→戻りはするけど、だいぶ伸ばしやすくなった。
○甘酒と小麦粉の一部を混ぜた後一晩寝かせて発酵させる工程は、1時間保温したところですでにふつふつと活動していた。
→この時点で1次発酵は終了としていいかもしれない。試す。
→→私としては問題ない。1次発酵は60℃1時間でよしとする。
○粉を全量混ぜ込んだ後に長時間発酵させれば旨味はより引き出されるのでは。
→30℃1時間+冷蔵発酵でいく。
→→歯ざわりも軽くなり、美味しくなったと思う。
○私の好みで、味をよりクラッカー方面に振れさせたい。
→パーセンテージにしてパン作りの半量程度の塩を加える。
→→塩を入れない時より甘く仕上がってしまった。でもおいしい。
と、いうことになりまして、この結果を踏まえて細かいところを修正したレシピが以下になります。
酒種せんべいふるめんとのレシピ/私版
材料:
麹とご飯、水を同割で仕込んだ甘酒 100g
薄力粉 25g
米油 20g
塩 1g
薄力粉 80〜90g
全粒粉 20g(薄力粉でもいいです)
粗塩 少々
作り方:
- 甘酒と薄力粉25gをよく混ぜ合わせて60℃に温度設定した低音調理器に1時間かける。
- 米油と塩を加えてよく混ぜる。
塩により味付けの効果以外に雑菌の繁殖が抑えられるので、製造上の安全性が上がるはずです。 - 薄力粉80〜90gと全粒粉を軽く混ぜ合わせてから加え、滑らかになるまで練る。
- 30℃で1時間発酵させる。
- 冷蔵庫で24時間程度寝かせる。
- 1mmの厚さに伸ばして型抜きし、好みで粗塩をふる。
塩はなくても美味しいです。好みです。 - 170℃で15〜20分焼く。7、8分くらいからたまにオーブンを開けて確認、きつね色になったものをひっくり返す。裏も色づいたら取り出していく。湿気ていてもほどよく色が付いていたら取り出して、次の生地を焼く。
- 焼きあがったもの全てを天板に戻してアルミホイルをふんわりとかけ、100℃で30分程度乾燥焼きする。
焼き加減は好みです。私は焼き菓子はギリギリまで焼き切ったものが好みなので、焼き色強めです。あまり焼くと苦くなるので、そこは匙加減で。
美味しいバゲットの皮が歯ざわり軽く砕けていくようなせんべいというかクラッカーというか。
子供達がバリッバリ食べます。味はあるけど刺激がないせんべい、ちびっこのおやつによいです。
ちなみに田中屋せんべい総本家さんの商品、うちは看板のみそせんべい、一口サイズの甘いせんべいにミントティーがほんのりと練りこまれたミントせんべい、容赦なく山椒のパンチが効いたたまり山椒せんべいあたりが特に好きです。
Webショップもあります。
最近の息子たち:
・みんなで煽りあってアホが増殖していく(失礼)小学生男子になった長男、なんせ離れている間に事故にあって欲しくない。危険について勉強しい!
というわけで、「学校では教えてくれない大切なこと10 身近な危険 防災と防犯」という本を買い与えたら、毎日真剣に読み、さらには紙を出してきてうちから学校までの地図を描き、危険箇所とこども110番の家の場所を書き込むという予想以上の展開に。
この本、家の中から登下校時、災害時から犯罪に巻き込まれそうな時まで細かい状況設定をし、その危険ポイントと子供がとれる回避策をわかりやすい図表と漫画で教えてくれます。
印象的だった内容をいくつか抜粋します。事故にあいそうな人を見たら無理せず大人を呼べ、アレルギーというものがあるから人に食べ物を無理に勧めない、子供を狙う犯罪者は他の大人に知られたくない、大声で助けを呼べ、等々。
子供に自分の身も他者の身も守らせる意識を持たせてくれる良書だと思います。
同シリーズの他の本もいくつか買ってみたので、またいつかレビューします。